話をソラシドスクールに戻そう。ある晩秋の寒空の下、私たちはサツマイモを収穫した。それを畑に持ち込んだ釜で蒸して、その場で食べることになった。大学のキャンプサークル仕込みの明石さんが上手に落ち葉や枯れ枝を組み上げ、火を起こした。火遊びの好きそうな面々が、畑の周囲から燃えそうな枝を集めてきては火の世話をした。そうしているうちに、釜から湯気が立ち上ってきて、ほんのりと甘いサツマイモの香りが漂ってきた。私たちはソラシドの作業を終え、火を囲んで暖を取りながらサツマイモが蒸し上がるのを待った。みな一様に笑顔だった。私は思った。私はみんなとはベクトルが反対方向に向かっているのかと思うくらい物の考え方が異なるけど、こうやって暖を取りながら、甘いふかし芋のできあがりをみんなと一緒に楽しく待っている。おいしいものを前にすれば、考え方の相違なんて吹き飛んでしまうのだ。一緒になって楽しい時間を過ごすことができるのだと知った。