もうこちらは10月下旬のような天候です。
日本にいたときには、ああ、もう今年もあとわずかだなと感じさせたあの少し凛とした冷たい空気を朝夕に感じるようになりました。一番日が長かった頃には夜10時でも明るかったのに、いまじゃ7時半には薄暗くなってしまいます。秋の日はつるべ落としだということをはっきりと感じることができます。日本より緯度が高いからでしょうね。
さてさて、うちのにんじん屋さんは相変わらず時計に夢中です。分刻みで時間を聞かれるので、一日に何度時間を聞かれるか分からないくらいです。そのにんじん屋さんとアナログの時計で遊んでいたときのこと。
にんじん屋さんは短い針と長い針が重なるのがおもしろいらしく、時間調節ネジをぐるぐる回して遊んでました。12時だったら、12時ちょうどに針が重なるし、1時だったら1時6分くらいかなとやっているうちに、全ての時間について短い針と長い針が重なる時間を調べることになったのです。
2時、3時、4時、・・・とやって、とうとう最後に11時の時間を調べることになりました。どうなったと思います?なんと、11時台には短い針と長い針が重なる時間がないんです!!!ということは、12時間で針が重なるのは11回しかないんですよ。うわーっと声を上げて、興奮してしまいました。にんじん屋さんも満足げな笑顔を浮かべてました。
気づいてみれば当たり前じゃんと思うでしょうが、この事実を知っている人が果たしてどれだけいるか。これまで気づかなかったことに気づくことこそ研究の醍醐味だと思うんです。にんじん屋さんとこの醍醐味を共有した初の瞬間でした。