今日14日(水)からUniversity of Washingtonで集団遺伝学の集中講義がはじまりました。16日(金)まで3日間のコースです。
集団遺伝学は生物集団内における遺伝子の挙動を統計学的に扱う遺伝学の一分野で、その内容はというともう完全に数学の世界です。シグマ記号、階乗(!)、積分記号のオンパレードです。面食らいます。
生物の進化という言葉から想像されるものはなんでしょう?ガラパゴス島のダーウィンフィンチであったり、バージェス頁岩から掘り出されたカンブリア紀の妙ちくりんな生き物の化石だったり、始祖鳥だったり、アフリカから出土する人類の祖先の化石だったりと、野外の豊かな自然の中でのフィールドワークがまず真っ先に思い浮かぶのではないかと思います。進化という言葉から、シグマ記号、階乗(!)、積分記号のオンパレードを想像する人なんていないでしょう。
ところが、生物集団が与えられた環境下で自然淘汰され、適応度の高い種が生き残り繁栄する様を遺伝子レベルで解析するには、集団内における遺伝子の振る舞いを扱う集団遺伝学的解析がどうしても必要になるのです。
今日、午後から半日授業を受けての感想は、ワケワカラン、チンプンカンプンこれがあと二日続くのかと思うと本当に憂鬱です。
この、数学という代物、これまでは生物系に進む人はそっぽを向いていてオッケーだったのですが、システム生物学の台頭により、そう呑気なことを言ってられない状況に変化しつつあります。生化学/分子生物学的研究手法からシステム生物学的研究手法へと、研究環境の大変化が始まっています。この環境の変化で自分自身が淘汰されないよう、適応度を上げるべく、自らを作り替えねば。35歳のワタクシのもつ可塑性が試されています。
(システム生物学とは何ぞやという話をはじめると長くなりそうなのでまたの機会にでも。)