ヘー、献血ってdonate bloodって言うんかぁ、
献血したらアメリカでも何かくれるかも!っていう、
いつもの売血感覚で気楽にOKしました。
同じ研究所内の他の建物が会場でした。
4人くらい、簡易ベッドに寝かされて血を抜かれています。
受付があって、医者の問診のあと血を抜かれるという流れは日本と同じようです。
と、思ったのですが、一つだけ大きな違いがありました。
それは、やりとりが全部英語だということです。
それに気づいた途端、胸がドキドキしてきました。
まず、受付ですが、ジェニファーが受付しているのを見ながら、
様子を伺っていました。ありがたいことに受付の初老の女性は優しそうな人です。
自分の番になって、"I'm from Japan. This is the first time I donate blood in America."
と言うと、優しそうに微笑んでくれました。状況を察してくれたようです。
こんな時はどうにかなるもんです。
特に混乱もなく受付を完了。
日本にいる時は献血は密かな楽しみでした。
正直言って、献血というより、売血感覚ですね。
ジュースをくれたり、ペンをくれたり。
気前がいい時はテレホンカードをくれることもありましたね。
今日、いつものようにラボでのほほんとしていると、
ポスドク仲間のゴンザレスがdonate bloodするけど、いっしょにどう?
と誘ってきた。
次にお医者さんの問診です。おっと、その前に問診票に記入しなければ。
日本でも献血をするときに問診表に答えるけど、あれとほとんど同じ内容です。
といっても、すべて英語だし、医学用語が多いのでわからないところもチラホラ。
記入に時間がかかって、一人抜かれてしまった。
気楽に来るんじゃなかったとちょっと後悔モードに。
それでもなんとか記入し終えたところで、お医者さんに呼ばれた。
また、オバちゃんだけど、今度は気が強そう。
ニヤッとしてくれない。
ニコッとしてほしいのでニコニコしていると、
いきなり指先にハリを刺されて採血された。
てごわいよ。このオバちゃん。
採血した血でさくっと血液の比重を調べると、血圧測定が始まった。
すると、オバちゃんの表情がちょっと曇り、”はい”と言うので、僕も”はい?”
と答えると、140(one forty)とか言ってきた。どうやら、血圧が"high"らしい。
もう一つの血圧計で調べ直しても140/96。Highだねと言われた。
その時は、自分でもなんで血圧が高いのか分からなかったけど、
今考えてみれば当然だよね。
自分でも分かるくらい心臓がドキドキしてたんだから。
血圧が高いものの、献血OKとなりました。
これでようやくベッドに上がることができます。
消毒を終えると、にんじん屋さんが好みそうな柔らかい
星型のスポンジを渡されました。
それを持って、握って開いてをしてねと
若い看護婦さんに言われるがままに握ってみると
なかなかいい握り心地です。
大よろこびでにぎにぎしていたら、
あっという間に終わってしまいました。
僕が今日最後の献血者でした。
お医者のオバちゃんが近寄ってきて、
How are you feeling?
と聞いてきたので、Fine!と答えておいた。
ここで、ようやくオバちゃんがニコッとしてくれたので
どれくらいの量を献血したのか聞いてみると、2 cupだと言う。
分からないので、ポカーンとしていると1パイントだと言い直してくれた。
おまけに、You dieted 1 pound today! という、ベタなギャグまでかましてくれた。
オバちゃん、心を開いてくれてありがとう。
そうそう、戦利品はリンゴジュースとクッキーでした。