University of Washington近くのバス停前に大きな桜の木があります。大きいというか、高さが高いのです。10メートル近いかもしれない。ソメイヨシノより遥かに高いです。枝ぶりも見事です。
3月終わり頃、この大きな桜の木にあわ白い桜の花が咲きました。ソメイヨシノのような華やかさはないものの、春めいた明るい雰囲気を醸し出してくれました。花が散った後、桜の木に目をやることはなかったのですが、先週、何気なく桜の木を見上げてみると、まだ熟していない緑色のさくらんぼがたわわに実っているのが目に入りました。
今日、また思い出して桜の木を見上げてみると、熟してほんのりと赤色に染まっていました。いわゆるアメリカンチェリーのような濃赤色ではなく、日本のさくらんぼと同じ色、かたちです。
摘んで食べてみたいと思ったのですが、どうがんばっても手の届かない高さになっていたのであきらめかけたのですが、ふと地面を見ると熟したさくらんぼがあちこちに落ちているのが目に入りました。
誰も拾っている人がいないので、少しだけ躊躇していると乗り換えのバスがやってきました。いそいでそばに落ちていたさくらんぼを一つ拾い上げ、胸ポケットにしまい、バスに乗り込みました。
左胸のなかのころころとした感触が朝のすがすがしさとともに気分を高揚させてくれます。小学校の帰り道に、実っていた木いちごを初めて摘んだあの時と同じ気持ちです。
職場に着くやいなや、胸ポケットなかのくすぐったいさくらんぼをつまみ上げ、ぱくっと食べてみました。
それは、なんとも甘いさくらんぼでした。